スタジオ・サミラ・ブーンは中国嘉興市にあるDi Yuan Galleryの講堂に、高さ5メートルの印象的なテキスタイルの日除け設備を実現しました。これはJiaxing Islandの一部としてこのギャラリーの建築をデザインした、MORE Architectureとの特別なコラボレーションの結果です。これは、上海と杭州の間の人口100万人の都市であり、急速に都市化する嘉興にある、大規模な複合用途のハブとなる施設です。
Photography: MORE Architecture / Dirk Weiblen
折り込まれたテキスタイルの構造体は、以下の目的に役立ちます。
- 室内の温熱環境を改善し、日光の差し込み具合を調整する日除けの設備として
- 音響面を改善する装置として
- ギャラリーの講堂の空間を表現豊かにする構造体として
この観点から、Di Yuan Galleryで得られるものは多くありました。南向きのギザギザしたリズミカルなファサードを制作したことは、日光調節に対する特別な挑戦でした。
その結果、幅120cm高さ5mのパネル10枚で構成される大規模なテキスタイル設備が完成しました。3Dの折り込まれたテクスチャは、空間の特定のニーズに対する柔軟性と適応性に関して、ユニークな変化を与えます。各パネルはねじったり回したりすることで別個の形状へと変化し、下記のように様々な方法で日光をフィルタリングし、ギャラリー内の催し物や時々刻々と変化する日光に対応することができます。
- 夏: 日光を完全にフィルタリング
- 春 / 秋: ツイスト、部分的に日光が入り込むようにする
- 冬: カーブし、開いて、日光が空間に入るようにすることで、室内の暖房の必要性を減らします
このユニークな設備を開発するにあたり、パネルの大きさに起因する課題が生じました。特別に軽量な糸を見つける必要に迫られたのです。結果として生じた湾曲した彫刻的な形状は、日光のフィルタリング対する際限ないバリエーションと適応性を与えるだけでなく、ギャラリーの講堂の室内空間に、さっぱりとした上品な印象を与えます。
Di Yuan Galleryは、重層的な機能と公共空間を重視したアーバンビレッジであるJiaxing Islandの一部です。16,000m2の広さの建物には、オフィス・ホテル・短期滞在用アパート・現代アートギャラリー・4つのレストラン・プール・ジム・幼稚園・会議センター・野外講堂があります。Jiaxing Islandは、MORE ArchitectureとAIM Architectureによって設計され、2016年に完成しました。